ぼくの好きな人物に、斎藤一人さんがいます。
銀座まるかんの創設者ですが、
独特の人性論で、著書も多数出しています。
その著書の一つに「微差力」という本が
あります。
斉藤さんは実業家で、商売人ですから、
商売のことをとてもわかりやすく書いています。
例えば、こんな感じです。
一文を紹介しますね。
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よく「商売は器量だ」と言います。
聞いたことがある人も多いと思うのですが、これ
はどういうことか、ご存じですか?
たとえば、儲かってないラーメン屋があるとしま
す。
メニューに、ギョーザからチャーハンから全部書
いてあって、このなかで一番売れるのは、五目そ
ばだとする。 五目そばは人気があるんですね。
でも、ラーメンは人気がないんですよね。
ギョーザも人気がない。
と普通は考えるのですが、私の考えは違います。
私に言わせると、「ギョーザが人気ない」ではな
い。 「ラーメンが人気ない」じゃあないんです。
なぜかと言うと、ラーメンがあまり出ないのだと
したら、 今、一番流行ってるラーメン屋を見てき
て、自分のとこのラーメンの味を変えればいいの
です。 ギョーザの味も変えればいいのです。
それをきちっとやってないから、ラーメン、ギョー
ザが売れない。 ということは、味を変えようとしな
い、あなたが、人気ない、なのです。
お客さんが食べたがらないラーメンを出し続けて
おきながら、 「お客が来ない」「不景気だ」と
言う、その人間性が人気ない、なのです。
結局、最後は人気です。
人気とは、人の気、愛です。
店主には、それがないのです。
たとえば、お客さんが並んでるラーメン屋は、
こってりしたラーメンを出しているとする。
にもかかわらず、「ウチのはさっぱりしてて、
うまいんです」と。
そういうのが「愛がない」と、私は言うのです。
自分だけが満足するようなラーメンは、家で
作って食べててください。
商売というのは、お客さんに尽くすものです。
それもしないで、「お客はラーメンをわかって
ない」 って、あなた、場が読めてない、空気読
めてないですよ。
(本文から引用)
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こんな感じで、ぐんぐん引き寄せられていきます。
人間味のあふれた文章や語り口はとても人気です。
作者の人間性も素晴らしいけれど、考え方がたま
らないと、全国にファンがいっぱいいるんです。
考え方で人生は9割決まる、って言われています。
じゃあ、どんな考え方がいいの?と聞かれても、
人は自分の考え方を変えたくない生き物なんで、
なかなかアドバイスにはならないでしょうね。
ぼくから言えることは、この本面白いから読んで
みたら、くらいです。
人から言われても、なかなか自分の考え方を
変えることは難しいけど、本を読むことが考え方
を変えていくきっかけになることはあるかもしれ
ない、という気がします。
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